ミーラヤ・コーシュカ 制作日記

三度の飯より手芸が好き。主にビーズアクセサリーを作っています。記事は制作過程や日常のこと。

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きのう、某テレビ番組で、
ネイティブスピーカーの先生が英語を教えるコーナーがありました。
その名も『ネイティブに笑われないクールイングリッシュ』。
"My name is~."の"is"は短縮したほうがネイティブっぽいとか(そりゃそうだ)、
日常の会話では苗字は名乗らないのが一般的だとか、
実際に使われる英語の表現が紹介されていました。
中には、日本人が間違って覚えがちな表現を、
文法の観点から正して解説している場面もあり、勉強になりました。

勉強になりましたが、もやもやとしました。
番組の内容は正しいのですが、正しすぎて万人には当てはまらないと思ったのです。
ある程度日常で英語を使う人ならば覚えておいた方がよい内容でも、
普段英語を話さずに生活している我々にとって、
ニュアンスに配慮しながら外国語を話すというのは大変敷居が高い。
ですから、これがNHKのEテレの番組ならば何とも思わなかったのですが、
誰もが知るゴールデンタイムの民法の番組として、
わざわざ『ネイティブ笑われない』と題して放送しているのには違和感を覚えました。

日本に来た外国人がたどたどしい日本語で道を尋ねてきたら、
こちらも何とかそれに答えようとして一生懸命考えて話しますよね。
そのとき、「この外国人、日本語下手だな」とか「敬語がなっていない」などと、
いちいち難癖をつけるようなことは考えないでしょう。
はじめから、外国人がうまく日本語を話せなくても「仕方がない」と想定しているからです。

それと同じで、日本人の英語が下手なところで、
ネイティブスピーカーがそれをいちいち笑うとは思いませんし、
そもそも、たとえ笑われたとしても、別にいいのではないでしょうか。
だって、うまく話せないのは事実なのですから。

本屋に行けば、英語のテキストが山と積まれていますが、
私が嫌いなのが『知らないと恥ずかしい〇〇語』といった類のタイトルの本です。
もちろん、今回の番組のタイトルも好ましくありません。
せっかくなら前向きに『知っておくと話すのが楽しくなる英語』と題すればよい。

ネイティブスピーカーが生きたネイティブの表現を知らなければ、
それは確かに困るし、恥ずかしいでしょう。
また、生粋の日本人が日常で使う日本語の表現に疎ければ、
それもやはり恥ずかしいと思います。

しかし、外国のことで「知らないと恥ずかしい」ことなどありません。
ちょっと旅行に行ったところで、その国について知りえることなどたかが知れています。
ましてや、その国の言葉の微妙なニュアンスをつかんで話すなど、
日常生活が日本語で事足りている我々日本人には容易なことではないのです。
だいたい、日本語だって言葉のあやで誤解を与えてしまうことがあるのに、
外国語の細やかな部分にまで気を遣っていられないというのが本音です。

でも、それでいいのではないでしょうか。
必要なら、各々そこから学んでいけばいいだけの話です。
旅行に行くなら、最低限旅行で役に立つ表現を覚える。
仕事で必要なら、もっと踏み込んで勉強する。
その国の言葉で生活していくなら、なりふり構わず必死で習得する。
センスの良い言葉選びは、基礎が身についたあとでも遅くはないでしょう。

冷や汗をかいたり焦ったり、言い間違えたり書き間違えたり、
時には身振り手振りで何とか伝えようとして、
あとで「あー、あのときこういえばよかった!」などと反省したりしながら、
言葉は時間をかけて少しずつ磨かれていくものだと思います。
それこそ恥をかいて覚えた言葉はまず忘れません。
母国語の日本語だって同じですよね。

仮に自分を格好よく見せるための知識を得て、ちょっと使ってみたところで、
相手はネイティブ、すぐにお里が知れてしまいます。
私自身が留学をして外国語を学んだからこそ実感していることですが、
必要なときに、「外国人である」という特権をフルに使って、
必要な分だけ学んでいけば十分。

どうしたって、私たちは外国人にはなれないのですから、
外国人なりに地道に学んでいけばよいだけのことです。

そんなわけで、このテレビ番組を見て、
「だから日本人は外国語、ことに英語コンプレックスを抱くのだなあ」と、
皮肉めいた納得をしてしまいました。
もし『最低限これだけ読めて話せて書ければ、その日の食事と宿に困らない英語』
なんて放送があれば、どれだけの日本人が助かるでしょうか。
まあ、視聴率は取れないでしょうが……。

どうしてまっさらな状態で学んでいけないのでしょう。
どうして「わからない」「知らない」という地点に立てないのでしょう……。
語学に限った話ではありませんが、
根本的にはちっぽけなプライドがすべてを邪魔しているように思えてなりません。
そういう意味では、別の某テレビ番組で、
英語でコミュニケーションを取ろうとする出川哲朗さんはすごい。
あの体当たりが演出だったとしても、やはりすごい。
*****
私もロシアでどれだけ困ったことか……。
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拍手[4回]

その通り!

はじめまして。だいぶ前の記事なので、コメントが届くかどうかわかりませんが、本当にその通り!と思ったので、こちらにコメントさせていただきます。

もう、最初から最後まで、そうそうそうそう!! 同感の連続でした。

>私が嫌いなのが『知らないと恥ずかしい〇〇語』といった類のタイトルの本です。
>『ネイティブに笑われないクールイングリッシュ』
そう! こういうタイトル、わたしも嫌いです。書店でタイトルを見ただけで敬遠してしまいます。あと『ライバルと差がつく○○語』とかも嫌い。わたしは誰かと競争するために外国語やってるわけではないので。というか、そんな人いるんでしょうか?? こういうタイトルの本が売れるような国だったらいやだなあと思います。

>根本的にはちっぽけなプライドがすべてを邪魔しているように思えてなりません。
ほんとそう思います。なるべく垣根を低くして、たくさん喋ったほうが上達が速いと思うのですが。

ところでわたしも10月にロシア語検定3級を受けます。ロシア語は去年始めたばかりで、ロシア語圏には足を踏み入れたこともありません。年齢もミーシュカさんのお母さんくらいの年齢です。3級はまだ難しいかなーと思いますが(特に朗読。ウダレーニエの位置が全然わかりません・・・。知らない単語や知ってても違う格変化の力点の位置が分かる方法ってあるのかしら・・・)、胸を借りるつもりで当日頑張って受けにいこうと思います。

これからもロシア語関係の記事、楽しみにしています。
by うさぎ URL 2018/09/25(Tue)18:32:09 編集

失礼しました

ごめんなさい、お名前を間違えてしましました。これでは猫さんではなく、ねずみさんですね・・・。失礼しました。
by うさぎ URL 2018/09/25(Tue)20:52:27 編集

Re:失礼しました

うさぎさん
コメントをありがとうございます!実は二つ目のコメントをいただくまで、名前のことに気が付いておりませんでした。読み返して、思わず笑ってしまいました。丁寧にありがとうございます。

時々本屋の語学コーナーに立ち寄りますが、特に英語の一角には、見るたびに新しい本が、辟易するようなキャッチフレーズとともに並んでいます。需要があるのでしょうね。売る側はお商売として成功しているわけですから、どちらかというと、買う側のほうが浅ましいのかな。根底にあるのは「人から見てどう思われるか」という意識でしょうが、うさぎさんの仰る通り、外国語は誰かと競争するために習得するものではありませんよね。立場上、きちんとした言葉を話さなければならないような仕事をしている人は、それこそたゆまぬ勉強をしているはずですし、そもそも、そんな人はほんの一握り……。

うさぎさんもロシア語検定の3級を受検されるのですね。私も休日に勉強をしていますが、もう前半の文法問題だけで息切れしそうですよね。アクセントは、私はとにかく片っ端から辞書で確認しています。最近は、「この言葉、もしかしてアクセントはこっちじゃない?」と勘が働くようになり、実際当たることも増えましたが、勘に頼って間違って覚えて、あとで修正するのは苦労するに違いないので、面倒でも先に調べてしまいます。勉強って、ほんまに地味で地道……。

うさぎさんのブログを少しのぞかせていただきました。とても多くの外国語を学ばれているのですね!私、自分が母くらいの年齢になったときに、ロシア語以外にもわかる言語が増えていたらいいな~と思っておりましたので、何だか夢が膨らみました。ブログ、またゆっくり遊びに行かせていただきますね(^^)v
2018/09/25 22:40
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プロフィール

HN:
milaya koshka
年齢:
28
性別:
女性
誕生日:
1990/05/06
趣味:
手芸とロシア語
自己紹介:
"милая кошка"はロシア語で「かわいいネコ」のこと。休日に少しずつ作りためたアクセサリーを、下北沢「DIAMOND HERO」にて委託販売しています。現在、大学生の妹と二人暮らし。

【デザインフェスタvol.48出展予定】
ブースNo.I-92@東京ビッグサイト西4ホール4F
友人「kana」と共同出展します。
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